日米野球第3戦が2014年11月15日、東京ドームで行われ、日本代表「侍ジャパン」は4投手の継投でノーヒットノーランを達成。残り2試合を残して、24年ぶりの日米野球での勝ち越しを決めた。
気になるのはメジャーリーグ(MLB)選抜の低調ぶり。ここまで2完封を食らい、投手陣もピリッとしない。野球解説者の張本勲さんからは「日米野球の意味がなくなっている」と厳しい言葉を浴びせられている。
京都観光や茶道体験、すし、カラオケ・・・
日本代表は前田健太(広島)、金子千尋(オリックス)、則本昴大(楽天)の3先発を中心に投手陣が活躍。メジャーの強力打線はここまで3試合でわずか4点に抑えられている。
16日、「サンデーモーニング」(TBS系)に出演した張本さんは「これは当然(の結果)だと思いますね」とMLB選抜に厳しい。「観光気分で来とるからね。そんなに練習してないんですよ」と調子が上がってこない理由を分析する。
日米の力の差がなくなってきているとして、「厳しいようだけど、興行主には悪いけど、日米野球の意味がなくなっているんですよ」と発言。日本代表がアメリカに招待してもらい、現地で真剣勝負をしてもらうよう提案した。
もちろん今回選ばれた選手は決して悪い面子ではない。第3回WBCでドミニカを優勝に導いたカノ(マリナーズ)や14年ア・リーグ首位打者のアルトゥーベ(アストロズ)、今期16勝のシューメーカー(エンゼルス)など、メジャーを代表する豪華な顔ぶれがそろう。岩隈久志(マリナーズ)や和田毅(カブス)も参加している。
しかし、彼らが張本さんの言う「観光気分」ではなかったというと少々疑問の余地がある。初戦の大阪から東京への移動日で一部選手は途中下車して京都観光に興じた。また、別の選手らは東京のホテルで妻を伴って茶道体験を満喫している。
日系4世のガスリーは日本各地の思い出をツイッターに投稿。その足取りを見ると、大阪でたこ焼きを食べ、広島に親戚を訪ね、京都で清水寺を参拝。東京に来てからはすしやカラオケを楽しんだようで、プライドをかけた真剣勝負というよりは日本旅行の色合いが強いようにも見える。
日本人投手を品定め?
日本の野球ファンも当初は侍ジャパンの快調な出足に喜んでいたものの、メジャーのあっけない3連敗には、
「やる気のないMLBに幻滅だね」
「オフ・調整不足・時差ボケ 要因は多々あるだろうが、三連敗ではただの言い訳」
「日本が強すぎるのか、MLBがやる気ないのか分からんような試合だよな」
とツイッターに厳しい意見が目立つようになってきた。
「サンデーモーニング」にゲスト出演した大魔神こと佐々木主浩さんも「勝ってほしいんですよ、メジャーらしいところを見せてほしい」と嘆く。自身もメジャー経験があるだけに、あっさり負けるメジャーに歯がゆいようだ。
第4戦には張本さんが「ちょっと打てないと思います」という藤浪(阪神)、第5戦は第1戦で打者3人をきっちり抑えた大谷(日ハム)の若き日本代表が先発予定。各球団のエース級が並ぶ様子に佐々木さんは「(メジャーは)日本人選手を品定めしているような...」と語る。このままでは、日米野球はマエケンや金子など、メジャー行きを目指す投手の品評会になってしまうかもしれない。