スカートは「寒い」「目線が気になる」 男女制服交換で男子が感じたこと

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高校の教頭「私からのコメントはありません」

   富士北陵高校の生徒らは、なぜこれだけ論議のある行事を考えたのだろうか。

   そもそもこの行事は、東北芸術工科大が主催する全国高校デザイン選手権大会(通称デザセン)の2013年大会で提案されたアイデアだった。2、3人でチームを組んで参加することになっており、富士北陵高校のチームはこの年に優勝していた。

   そのプレゼン動画を見ると、生徒らは、同性愛や性同一性障害といったことが社会的になかなか取り上げられない現状を考えて「セクスチェンジ・デー」を思い付いた。高校では、担任や学年主任は内諾したものの、教頭が「身体の一部である制服を異性に貸し出すのは、強い抵抗を感じる」と反対した。しかし、生徒らの説得を受けて教頭も行事に同意したという。

   生徒らはプレゼンで、「男らしさ」「女らしさ」のように多くの当たり前がある中で、高校生は思考停止しており、今求められているのは、そうした当たり前から解き放たれることだと説明していた。事前に生徒100人にアンケートしたところ、92%が制服交換に参加してもよいと答え、学校行事なら参加しやすいとの声が多かったという。衛生面の問題は、制服のほつれを直し、クリーニングすることで解決したとしている。

   しかし、制服を着たり渡したりしたくない場合はどうするのか、交換がなかなかできなくてつらい思いをする生徒はいないのか、といったことへの対応は分からないままだった。

   富士北陵高校の教頭は、取材に対し、行事は生徒の課題研究によるものだとしたうえで、「別の教諭が担当しており、私からはコメントすることはありません」と答えた。山梨県教委の高校教育課でも、ネット上で論議になっていることについて、「学校が自主的にやっていることですので、県教委として何か言うことはないです」と言うに留まった。

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