外国人投資家が手ぐすね? 消費増税先送りで「日本売り」の恐怖

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日本国債、「格下げ」のタイミングは...

   消費増税について、安倍晋三首相は英フィナンシャル・タイムズ(2014年10月20日付)とのインタビューで、増税を延期する可能性を示唆していた。

   「デフレを終わらせる好機でもあり、この機会を逃すべきではない。消費税を引き上げることで、経済が軌道から外れたり、鈍化したりすれば、税収は増えない。そうなれば意味がない」と語った。消費増税「先送り」となれば、増税による財政再建を急ぐよりも景気回復を優先して、それによる税収増から財政を健全化できると判断したものと推察できる。

   第一生命経済研究所経済調査部のエコノミスト、藤代宏一氏は「財政面だけをみれば、消費増税のほうが多くの税収を得られるでしょう。しかし消費増税を延期すれば、短期的には景気は間違いなく上向きますし、中長期的な経済成長につなげることができます」と話す。

   おそらく他のエコノミストや市場関係者の多くも、そのようにみているのだろう。藤代氏は、「しかも『やらない』というのではありません。1年半の延期であれば、市場の反応も軽微で、『日本売り』というのは考えられません」と言い切る。

   とはいえ、債券市場はいつ急に跳ね上がるかもしれない。その懸念もぬぐえない。国の債務は国民が背負っているので国債の急落はありえないとの見方もあるが、デフォルト(債務不履行)や極度のインフレによって調整された例もまた世界では枚挙にいとまがない。消費増税の延期をきっかけに、株や円で「日本売り」を仕掛ける外国人投資家がいる、という話が金融業界でささやかれているのは確かだ。

   国際金融アナリストの小田切尚登氏は、「国債については直ちに『日本売り』が起こることは考えにくい状況ではあります。しかし、すでに円は『日本売り』の状況です。それによって多くの海外投資家が損をしていますし、少なくとも(日本国債への)印象はよくありませんから、今後は買いづらくなるのは必至です」と、国債の金利上昇(国債価格の下落)圧力は強まるとみている。

   加えて、「あえて『日本売り』のタイミングを探れば、格付け会社による『格下げ』でしょう。現在、格付け会社は日本国債の格付けを『引き下げ』の方向で見直しています。大きく下がると、それが『売り』の理由になります」と話している。

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