デモや街宣活動で展開する主張が「ヘイトスピーチ」だと批判を受け、大阪市の橋下徹市長と怒鳴りあいをした「在日特権を許さない市民の会(在特会)」の桜井誠会長が、2014年11月末の任期満了で退任し、在特会からも退会することを明らかにした。
今後は活動を「一個人としてやっていく」といい、政治家志望の若手の支援に軸足を移す考え。桜井氏は「政治家になることには全く興味はない」と話すが、技術面を充実させて「『史上最強のネトウヨ』を目指す」と息巻いている。
「組織のトップが変わらないということは、新陳代謝がない組織」
桜井氏は4期8年にわたって会長を務めたが、14年11月11日に配信した「ニコニコ生放送」の番組で、11月16日に開票予定の次期会長選挙に出馬せず、11月末の任期満了で会長を退任する考えを明らかにした。唯一、立候補している八木康洋副会長が後任の会長に就任する見通し。
動画での桜井氏は、橋下徹市長と怒鳴りあいをした時とは正反対の穏やかな口調で、時折笑顔を見せながら、
「組織のトップが変わらないということは、新陳代謝がない組織で、いずれは落ちていくだけ」
などと退任の理由を語った。桜井氏は12年の会長選でも八木氏に立候補を打診したが、八木氏は即座に固辞。今回の会長選で初めて立候補を受け入れたという。
桜井氏は「私の名前が残っていたら(後任が)本当にやりにくいと思う。どう考えてもやりにくい」として、在特会自体も退会する。