帰国しないのは「少々深い事情があるのです」
現在、北朝鮮にとどまるグループは6人。いずれも国際手配されており帰国すれば逮捕となる。このうち魚本容疑者に加え、森容疑者と若林佐喜子容疑者には1980年に消息を絶った石岡亨さんと松木薫さんを北朝鮮に拉致した疑いがもたれている。
「バンキシャ!」のなかで小西容疑者は、よど号ハイジャック事件について自分たちが「誤りを認めて謝罪しないとだめ」と明言している。だが拉致容疑については全面否定だ。魚本容疑者も「全くやっていない」と語気を強めた。旅行先で石岡さんと1枚の写真に収まっていたふたりの容疑者も、「偶然出会って撮ったに過ぎない」と関与を認めていない。
よど号グループのツイッターアカウントには、ウェブサイトへのリンクが張られている。支援者が運営するサイトだ。ここに小西容疑者が11月6日に書き込んでいる。「いつも仲間とともに日本を思い、日本に帰ることを考えていますよ」としつつ、帰国しないのは「少々深い事情があるのです」と言葉を濁している。身に覚えのない日本人拉致の容疑で手配されているのだから、帰国しようにもできないという主張のようだ。ただ少なくともハイジャックという罪を犯しており、本人たちも認めているのに帰国して償わないのだから、周囲から理解を得られなくても仕方ないだろう。
ツイッター開始後1か月でのフォロワー数は約3500人。単純比較はできないが、アカウント開設初日で数万フォロワーを集める芸能人がいることを思うと、爆発的に話題になっているとはいいがたい。実際に投稿の中には、「よど号事件はテレビで見た世代ですがもう詳細は忘れました」と時代を感じさせる内容もあった。次回のツイートは11月中というが、月に1度のスローペースで世間の関心を繋ぎ止め続けられるかは疑問だ。