「貧乏アイドル」として人気を集めた上原美優さんは、24歳の若さで亡くなった後、ネット上で「遺書」とされる写真が出回った。それがここに来て、上原さんとは直接関わりのない第3者から、写真の真相が明かされた。
「部屋で解読不明の殴り書きのようなメモが見つかった」。上原美優さんが自宅マンションで2011年5月12日未明に自殺したとされたとき、所属事務所のコメントとしてスポーツ紙などで報じられたものだ。
写真は、漫画家の父親が残したメモ書きだった
持っていた愛用の手帳に書き込みが見つかったともいう。「『お母さんが死んで辛い。このままのスタイルで仕事して先行きどうなるか』といった趣旨」(サンケイスポーツ)との報道もあったが、多くは前出のように書いていた。
その後、しばらくこのことは話題になっていなかったが、14年4~7月ごろにかけて、「遺書」とされる写真がネット上で出回るようになった。2ちゃんねるのまとめサイトなどが、次々に取り上げるようになったからだ。
そこでは、上原さんが出身地の種子島ロケでスタッフを森の中の小屋に案内したとき、壁面にメモと同じ文字が刻印されていたという出所不明の情報が紹介され、オカルト的な意味を推測する書き込みも紹介されていた。
しかし、その写真はデマであったようなのだ。漫画家の赤星たみこさんが11月8日、自らのブログなどでその真相を明かした。
それによると、写真は、05年に亡くなった赤星さんの父親が、亡くなる直前に残したメモ書きだったというのだ。メモは父親のアロハシャツの上に載せ、赤星さん自身が撮影したという。赤星さんは08年10月、文字が乱れているそのメモ書きについて「解読お願いします」とブログで呼びかけ、写真をアップしていた。それがいつの間にか、上原さんの「遺書」とされる写真にデッチ上げられていたというわけだ。