ポール・マッカートニーも特別許可出なければ入国不可
篠田弁護士は、5条1項14号について「該当するかどうかの判断は、法務大臣の広範な裁量に委ねられています」と話す。日本側は入国拒否の理由について、個人情報保護の観点から明らかにしていないようだが、イさんの竹島での活動を問題視して上陸を認めなかった可能性は否定できないだろう。
大麻吸引については、5条1項5号に「日本国又は日本国以外の国の法令に違反して刑に処せられたことのある者」であれば、無期限の上陸拒否事由となる。ただし「起訴されて刑事裁判にかけられ、有罪となったのでなければ、同号には該当しません」(篠田弁護士)。
イさんの所属事務所は、ポール・マッカートニーさんが1990年、日本入国の際に大麻所持で逮捕された例を持ち出し、その後何度も日本でコンサートを開いていると強調している。だが篠田弁護士は、薬物による犯罪歴がある場合は、あくまでも「特別許可」がない限りは日本に上陸できないと解説した。マッカートニーさんも、今後特別許可が下りなければ日本に入国できない可能性はあるというわけだ。報道からは、イさんが過去に有罪になったかどうかは不明だ。仮に起訴、有罪とされていたとすれば、「これまで15回も訪日を認められた」というのは日本側の特別許可によるもので、「今回だけ拒まれたのは不当」というイさん側の主張は筋違いと言えよう。