尖閣問題で安倍首相は中国に譲歩しすぎたのか この点を巡って識者の間で論議沸騰

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   尖閣諸島について日本と中国が「異なる見解を有している」とする文書を発表したことを巡って、識者の間で論議になっている。安倍晋三首相が中国に譲歩したのかどうか、という点についてだ。

   「ああ、日本はやってはいけないことをしてしまった」。ノンフィクション作家の門田隆将さんは2014年11月8日、ブログ閲覧サイト「ブロゴス」にも載った記事で、こう溜め息を漏らした。

門田隆将さん「領有権問題を認めたことになる」

   日本と中国は7日、3日後の日中首脳会談を前に、4項目合意を発表した。その中に、「双方は、尖閣諸島等東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていることについて異なる見解を有していると認識」という文言が盛り込まれ、門田さんはこのことを嘆いているのだ。

   報道によると、中国は、首脳会談の条件として、尖閣については、日本が領有権問題を認めることを求めた。これに対し、日本は、前提条件なしの会談を求めたが、最終的には、前出の文言に落ち着いた。

   門田さんは、「第一報を聞いた時、正直、耳を疑った」といい、この文言は中国の論理では、「『領有権を中国が主張していること』を日本側が認めたことになる」と指摘した。さらに、文言に盛り込まれた「危機管理メカニズムを構築し,不測の事態の発生を回避する」との合意についても、そこまで日本を譲歩させたことになると問題視した。中国にとっては「歴史的な勝利」を意味し、尖閣周辺の力による示威行動は今後増えるとして、「冷静さを堅持し、毅然として中国と『距離を置くべきだった』」と批判している。

   また、週刊現代副編集長の近藤大介さんも、「現代ビジネス」サイトのコラムで、合意文言について、日本が犯した取り返しのつかない「オウンゴール」だと主張した。その結果、中国は国際社会で領有権を声高に叫ぶようになり、「大量の漁船団が尖閣周辺に押し寄せる。その中の一部が尖閣に上陸し、次には人民解放軍がやってくる。そして尖閣を占領してしまう---」など最悪のシナリオが考えられるとしている。

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