女性侮蔑の「ナンパ講師」、近く来日予定 入管に「入国拒否」求めて3万4000人がネット署名

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   米国人男性が世界中で開いている有料「ナンパ講座」の内容に「女性を虐待している」なとど批判が集中している。オーストラリアでは男性のビザ取り消しを求める署名活動がネット上で活発化した結果、講座が予定されていたホテルが会場提供を断ったうえ、入管当局が実際にビザを取り消した。

   この男性は2014年11月中旬にも来日して講座を開くとみられている。過去に男性が開いた講座の動画では、日本人女性に対して侮蔑的な発言も多く、ネット上では入国を許可しないように求める署名が3日間で3万件以上も集まった。署名の呼びかけ人は2014年11月10日、署名をプリントアウトして入管に提出した。

「東京なら、白人の男ならどんなやり方でも大丈夫」

ユーチューブで日本語字幕つきで公開されている画像。地中央の男性が「日本人や女性に対して侮蔑的だ」といった批判が相次いでいる
ユーチューブで日本語字幕つきで公開されている画像。地中央の男性が「日本人や女性に対して侮蔑的だ」といった批判が相次いでいる

   この男性は、「女性を魅了する技術を男性に提供する」ことをうたう団体に所属しており、世界各地で講座を行っていた。講座の動画が9月上旬にユーチューブに公開され、9月17日には第三者が日本語の字幕をつけた動画を公開。その内容のひどさに、ネット上で批判が集まった。特に、女性の首を絞めた上で頭部を自分の股間に近づける手口が「女性蔑視で虐待的」であることに加えてマインドコントロールの側面もあるとして批判が高まっていた。

   日本については、講座の中で、

「東京なら、白人の男ならどんなやり方でも大丈夫」
「(知人の白人男性が、日本人女性を)グッと引っ張ったけど、笑うだけ。ピカチュウとかポケモンとかたまごっちとか言ってりゃ大丈夫。街で女の頭をつかんで、股間に当てまくった」

などと自慢話を展開。動画の中には、日本の繁華街で女性に抱きついたり、コンビニ店員の女性がレジを打っている途中にもかかわらず、無理やり首にキスするシーンなどが収めされている。

現地警察も「男性の出国を確認」とツイート

   オーストラリアのメルボルンでは、11月5日に市内の高級ホテルで男性の講座が予定されていた。だが、署名サイト「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」で署名活動が行われた結果、ホテル側は会場を貸さないことを決定。11月6日にはビザが取り消され、現地警察も、11月7日にこの男性について、

「昨晩オーストラリアを出国したことを確認した。男性のアシスタントも、まもなく出発予定」

とツイートした。

   14年1月の段階で、男性は所属団体のウェブサイトやフェイスブックで、11月27日から29日にかけて日本国内で講座を開くとしていた。男性はオーストラリアでの批判を受け、フェイスブックやツイッターのアカウントを消して「潜伏状態」。動きがつかめない状態になっているが、日程が11月15日~17日に変更されたところまでは分かっており、近いうちに来日するとみられていた。

入管法では「上陸拒否事由」を14項目定める

   そのため、20代の日本人女性と30代の米国人女性が11月6日夜、サイト上で男性の入国を認めないように求める署名活動を開始。10日朝までに3万4000人の署名が集まった。

   呼びかけ人の女性は11月10日午後、東京入国管理局を訪れ、署名やウェブサイトに寄せられたコメント、問題の動画などをプリントアウトして入管職員に手渡した。

   今回の署名活動が日本の入管の判断にどの程度影響するかは未知数だが、入管法では「上陸拒否事由」を14項目定めており、様々な場合に適用される。特定の感染症にかかっていたり、薬物に関して刑に処された人が入国拒否される場合があるが、入国しようとする人に関連する報道内容が原因になる場合もある。例えば韓国メディアによると、韓国の歌手、イ・ソンチョルさんは11月9日、羽田空港で約4時間にわたって足止めされた上に入国を拒否されている。入管職員は「最近メディアで報じられたこと」を理由に挙げたといい、所属事務所ではイさんが8月14日に島根県の竹島(韓国名・独島)で公演したことが原因だとみている。

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