放送時間が読めない悩み
WOWOWに「特需」をもたらした「錦織効果」だが、地上波での争奪戦がこれから本格化しそうだ。全米オープン終了後、テレビ東京は9月末に錦織選手が出場する楽天ジャパンオープンを地上波で独占放送すると発表した。錦織選手のコンテンツとしての高い魅力を改めて示した一方、来年1月に迫った全豪テニスの放映権をどこが取得するかが注目されている。
ただ、テニスは試合時間が読めず、「幅をもたせた編成が必要となる」(放送関係者)ため、地上波向きではないとの指摘もある。20年以上も放送を続けてきたWOWOWにでさえ試合時間が長くなり、テニスファン以外から苦情が寄せられたこともあったという。
楽天ジャパンオープンでも錦織選手が決勝に勝ち上がり、テレ東が緊急で10月5日の昼間に生中継したが、試合が枠内に収まらずに途中で放送を終了してしまった。ネット上ではテレ東に批判が集中したが、一方で男子テニスは実力が伯仲しており、お目当ての選手が早々に敗退するケースも珍しくない。
関心が高まっているのがテニスそのものでなく、錦織選手個人であるだけに、生中継時のリスクにどう対応していくかが地上波での課題となりそうだ。