WOWOW「錦織効果」で業績上方修正 「独り占めさせない」、地上波も争奪戦に参入

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   有料の衛星放送「WOWOW」の躍進が止まらない。

   テニスの錦織圭選手の活躍のおかげで加入件数が増加し、業績も好調に推移しているため、2014 年10月末には2015年3月期の連結業績予想を上方修正した。

独占中継で加入者増加

「錦織効果」で躍進止まらず(画像はWOWOWのホームページ)
「錦織効果」で躍進止まらず(画像はWOWOWのホームページ)

   売上高は、従来予想の715億円から過去最高となる723億円に引き上げた。さらに営業利益も85億円(従来予想比6億円増)、経常利益は90億円(同10億円増)、純利益が57億円(同6億円増)といずれも大幅な上方修正した。

   WOWOWの躍進は業界で「『錦織効果』のたまもの」と言われており、9月に錦織選手が日本人初となる男子シングルス準優勝を果たした全米オープンテニスを独占生中継したおかげだ。地上波での生中継がなかったため、錦織選手目当てとみられる加入者数が急増。9月の新規加入件数は15万3273件を記録、9月末の総加入件数も276万3000件に達し、いずれも1991年の開局以来最高となった。

   この「加入件数の増加が通年寄与」(WOWOW)したおかげで、来年3月末の総加入件数も従来予想の267万8000件から271万8000件に引き上げた。WOWOWはテニスが追い風となった上期の流れを持続したうえで、下期はドラマや音楽、映画を中心に攻勢をかける考えだ。

   躍進の原動力となったテニスだが、WOWOWは1992年から4大大会のうち、全豪、全仏、全米を放送し、2008年からは全英も開始。業界では「テニスはテレビ的にメジャーと言えないスポーツ」とされるが、20年以上にわたって地道に放送を続けており、テニスファンには「テニスといえばWOWOW」と人気も高い。

   WOWOWもテニスを人気コンテンツに育てようとホームページに「Tennis online」を開設。錦織選手の特集ページも設け、プロフィールは当然のこと、全米オープン決勝までの軌跡、2011年からのツアースケジュールと戦績、錦織選手に関するコラムなどを取りそろえ、「テニスを見るならWOWOWへ」と加入を呼びかけるほどだ。

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