「勝ちに行く」強化試合を落とすと...
チーム状況だけではなく、アギーレ監督個人の姿勢にも疑問点はある。10日からの代表合宿中、母国メキシコで行われる現地企業主催のサッカー殿堂式典に出席するため、チームを離れる。公式練習と会見のある13日には日本に戻るというが、試合直前の合宿2日間を留守にするというのは極めて異例だ。
会見で記者から質問されると、まず「協会から許可が出ている」と強調。「合宿の準備はすべてできている」として、「(コーチ陣と)問題が起こらないように話し合っている」と述べた。
こうした姿勢に、解説者のセルジオ越後さんは「週刊サッカーダイジェスト」(10月28日号)のコラムで、「この時期に代表チームを離れるということは、アジアカップで優勝する自信がよほどあるのか、すでに日本への愛着はなく、いつでもクビになっていいと考えているかのどちらかだろう」とした。
また、就任直後からくすぶり続けているのが、スペイン「レアル・サラゴサ」監督時代の八百長疑惑だ。すでに一部選手やクラブ会長などが裁判所に出廷し、アギーレ監督も関係者として裁判所から呼び出される可能性があると現地紙が報じている。本人は否定し、JFAも追及する予定はないと報じられているが、もし証人として出廷を求められた場合は長期離脱もありうる。
ここまで1勝1分2敗で、唯一の勝ち星も格下ジャマイカからのみ。それも相手オウンゴールによる1-0とピリッとしない。アギーレ監督は「何かを試すのではなく、勝ちに行く試合」としているだけに、11月の2戦で結果が残せないようではアジア杯を前に進退問題に発展しかねない。成績不振による任期途中での解任となれば、W杯出場以前の1997年、加茂周氏以来となる。