「政治とカネとか言ったって、結局週刊誌の記事だけじゃありませんか!」
吉田氏は
「断定的に申し上げたことは申し訳なく思いますけれども、分からないから聞いてるんですから、答えてください」
と食い下がったが、安倍首相にとっては「火に油」だった。
「断定するんだったら、この週刊誌以外の証明をしなければならないんです。で、一回一回ですね、週刊誌の記事に私は答えなければいけないんですか?これから、吉田さんが色んな週刊誌を読んで、『安倍さんどうなんですか?』と。いちいち、これからも聞いてくるんですか?私は週刊誌にいろんなこと書かれましたよ!どっかで隠し子がいるということも書かれた。そんなこともいちいち吉田さん、聞くんですか?だいたい失礼ですよ!そんなことに、私は大事な予算委員会の時間を使う...国民の多くの皆さんもウンザリしてると思いますよ?このやりとりには。このやりとりにはね。結局、今の吉田さんの根拠というのは、政治とカネとか言ったって、結局週刊誌の記事だけじゃありませんか!」
一連の答弁からは、安倍首相が「週刊誌の記事」に相当な恨みを持っていることがうかがえる。安倍首相の退陣表明直後に発行された07年9月12日の毎日新聞夕刊には、こうある
「首相の辞任をめぐっては、今週末発売の一部週刊誌が安倍首相に関連するスキャンダルを報じる予定だったとの情報もある」(1面)
「突然辞意を表明した安倍首相については、『週刊現代』が首相自身の政治団体を利用した『脱税疑惑』を追及する取材を進めていた」(社会面)
体調不良だった安倍首相にとって、週刊誌記事の真偽はともかく、記事が出ること自体が「とどめ」になったとの見方もあり、委員会の場で古傷をえぐられたことで激高した可能性もある。