50人が居住も純粋な住民は1組の夫婦だけ
韓国外交部によると、2013年9月現在で竹島には現在50人が居住しているが、警備隊員や施設・事務所職員を除く純粋な住民は1組の夫婦だけ。だが、険しく切り立つ島に灯台や船の接岸施設はもとより、衛星アンテナも整備され、2011年には宿泊施設が増築された。観光客の受け入れ態勢の充実を図り、2013年には約26万人が島を訪れた。
着々と実効支配を進め、外向けにも「韓国領」とのアピールを怠らず、日本に一歩も譲る気配はない。それだけに、今回の建設中止の決定は今までの「強硬策」が後退するかのような印象を与える。日韓国交正常化50周年を迎える2015年に向けての判断ではないかとの憶測もあるが、韓国政府は今のところ言及していない。
長引く両国の「冷え込み」だが、2014年8月と9月に2か月連続で日韓外相会談が行われ、対話の機会がようやく増えてきたと思われた。ところが産経新聞元ソウル支局長が書いたコラムが朴槿恵大統領の名誉を傷つけたとして韓国検察に10月に起訴され、外交上の問題に発展。なかなか大きな前進が見えない。
今回の竹島を巡る韓国政府の判断が、日本への配慮かどうかは不明だが、あまり譲歩しすぎると今度は朴大統領が自国民から「弱腰だ」との非難が高まって、政権への大打撃となりかねない。難しいかじ取りは、今後も続きそうだ。