2014年11月1~3日の3日間、日本共産党は東京都江東区の夢の島公園で「第41回 日本共産党の赤旗まつり」を開催した。志位和夫委員長によるスピーチはもちろん、各地の特産品販売や音楽イベントなどでにぎわい、3日間で約15万人を動員する盛り上がりを見せたという。
その中で物議をかもしているのが、安倍晋三首相の顔写真をデザインしたドラムを叩く催しだ。党期待の若手、吉良佳子参院議員がその様子をツイッターで紹介したことで瞬く間に拡散され、ネットでは「ちょっとやりすぎでは」と批判を集めてしまった。
ひげを加えてヒトラー風に
問題視されているのは、1日に行われた「ドラム・レクチャー」だ。「イルコモンズ」名義で社会運動に参加している現代美術家で文化人類学者だという小田マサノリさんが企画した、ドラム演奏を教える催しだ。
ツイッターなどに出回っている画像をみると、このとき使われた一部ドラムのヘッド部分に安倍首相の白黒写真が貼り付けられている。さらに鼻の下にひげが書き加えられ、ナチス・ドイツのアドルフ・ヒトラーをほうふつとさせるデザインになっている。レクチャーではこれを叩いて、ドラム演奏が教えられたようだ。
その様子を注目株の吉良氏が「ドラムレクチャーなう」などとして、ドラムの画像をツイッターに複数回投稿したため、瞬く間に拡散。
「首相を叩いて喜んでるんですか...もはや、完全に常軌を逸脱してる」
「品が無さ過ぎ。よく人にヘイトだ差別だと言えたもんだわ」
「国会の内外で『安倍叩き』で自己満足、まともな国民は支持していない」
などと「やりすぎ」だという意見が噴出した。
党は「表現の自由」と問題視せず
吉良氏はドラムを叩いている写真は掲載していないが、これまで複数回、国政選挙に出馬したことがある池内さおり氏は「熱く盛り上がりました!これからも叩くぞー!!!」とドラムを肩にかけて叩く様子を投稿した。周囲には笑顔の人がたくさん写っていることから、少なくとも現場で問題視する人はいなかったようだ。
2人のツイッターには、「こんなヘイトが共産党の世界では許されるのですか?」「幼稚な嫌がらせして楽しいの?」といったメッセージが送られているが、4日15時現在、ドラムについて言及はない。
党の広報部はJ-CASTの取材に対し、催しが波紋を広げていることはすでに知っているとした上で、「表現の自由」と問題視しない意向だ。安倍首相をヒトラーになぞらえたことは「首相のネオナチ的な言動から、なぞらえる人がいるのは当然では」という見解を示した。