食料自給率「聖域」ではない! 財務省の「引き下げ提言」が波紋

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カロリーベースの自給率は日本独自のもの

   このニュースに対し、ネット上では「農業はどこの国も保護しているし、どこの国でも最も生産性が低い」「日本の農家の補助金は世界的にみて高くない」「食料安全保障はどうなる」「金額でなくやり方の問題。今みたいなバラマキは長続きしない」「自給率の前に農家の高齢化が問題」などと多様な意見が噴出した。なかでも目立ったのは「カロリーベースで自給率の目標設定することが、そもそもおかしい」という趣旨のコメントだった。

   政府目標に使われているカロリーベースの自給率は日本独自のもので、外国で採用している国はほとんどない。日本も生産額ベースだと2013年度は65%あるのだが、低いカロリーベースの自給率を持ち出されると国民の不安感は増す。それだけに「農水省が予算獲得のために使っている」などといった批判が根強い。

   これらの批判を踏まえ、財務省もカロリーベースの自給率に固執するのでなく、「潜在的な供給能力に着目した『食料自給力』の視点を取り入れていくことが有用」と言及。その食料自給力を高めるために農業の担い手の維持、育成などを重視すべきだと指摘する。要は金の使い方を見直して、もっと効率的に使うべきとの主張だ。

   指摘を受けた西川公也農水相も、日本の厳しい財政事情のなか、2020年度に50%にするという目標の達成は「相当難しい」との考えを示している。来年3月末までに新たな目標を決めることになっており、この流れのままなら現行の50%目標が見直される公算は大きいだろう。

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