「渋谷がゴミだらけ」「まるでスラム」――2014年11月1日、ネットがこんな悲鳴であふれた。前夜のハロウィンでお祭り騒ぎとなった街角に、大量のゴミが放置されていた、というのだ。
人々のモラル低下を嘆く声が相次ぐ中、一方でその大量のゴミが、間もなく街から姿を消していたことも話題になった。いったい誰が。そこには、少なからぬ人たちの「善意」があった。
センター街はゴミであふれかえったが...
1日午前。渋谷センター街のある一角が、大量のゴミに埋もれていた。ビールの缶や瓶。ペットボトル。パンパンに汚物を詰め込まれたビニール袋。雨で濡れた地面に張り付く紙屑。そしてそれを、素知らぬ顔で行き過ぎる人たち。
これらのゴミは10月31日夜、ハロウィンに集まった人たちが残したものだ。この夜、渋谷の街角は、思い思いの仮装をした人々でごった返した。その模様はテレビなどでも大きく取り上げられたが、問題はその後。上記のように、ハロウィン参加者たちの飲み食いした空き容器や、役割を終えた仮装グッズなどが、あちこちに放置されていた。
ゴミといえば、6月のサッカーW杯ブラジル大会で、日本人サポーターが自主的に会場のゴミ掃除をする姿が海外から絶賛されたばかりだ。それとは正反対の惨状に、ツイッターなどでは、たちまち怒りの声があふれた。
「渋谷のこの写真、完全にスラム街でしょ」
「渋谷のハロウィン糞かよ。モラルを持って楽しめよ」
しかし2日午後、センター街を歩いてみると、そこはチリひとつない、というのは大げさだが、少なくとも普段の渋谷並みの清潔さを取り戻していた。ハロウィン騒ぎから2日経っているのだから――と思うかもしれないが、1日の昼ごろには、すでにすっかり片付けられていたという。
いったい何が起こったのか。