日本シリーズは「審判のファインプレー」で幕 阪神・西岡の守備妨害を見逃さなかった

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走路を走るのはイロハのイ

「完全に内側を走っている」

   主審も一塁審判もはっきり言い切った。和田監督は諦めざるをえないほど自信に満ちた口調だった。

   日本一の決まる試合で、よくぞ守備妨害のジャッジをしたと思う。一歩間違えれば熱戦を台無しにする可能性もあった。大リーグのようにチャレンジ制度があれば、ビデオで確認できるのだが、日本ではホームランのときだけビデオ確認ができる。

   走路を走っているかどうか、審判は必ず見ている。阪神ファンも納得せざるを得ない毅然とした判断と言える。

   この西岡の走塁は意識して内側を走ったと指摘されても仕方がない。というのは、一塁への走塁は少年野球で最初に教わる、イロハのイともいえるプレーだからだ。西岡は左打席で打ったのだから、走路を走るのが自然なのである。西岡は、故意ではない、と振り返ったらしいけれど、言い訳のきかないプレーだった。

   西岡についていえば、カウント2-0からの高めのボール球をファウルしたこともいただけない。大荒れのサファテを考えると、たとえど真ん中の球でも見送るのが常道だ。さらに一塁ゴロを打った3-1からも見送ってもよかった。多くの野球人はそう見たはずである。おそらく西岡がもっとも、まずかった打席、と反省していることだろう。1球の明暗をつくづく感じさせた試合だった。

(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)

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