中東、ロシアなど海外事業への影響は アップルCEO同性愛者と告白の余波

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同性愛に寛容でない中東、ロシア、中国

   米経済専門チャンネル「CNBC」電子版は、クック氏の発言について違う角度から論じた。米国内と海外では、受け止め方が変わってくるというわけだ。

   直近の決算によると、アップルにとって海外市場は、収益全体の60%を占める。海外をおろそかにして事業は成り立たない。これを踏まえて記事では、

「世界の一部地域で同性愛は不道徳、あるいは罪とすらとらえられる」

と指摘している。

   「反同性愛」感情が広がっている地域のひとつが、中東だ。だがアップルは現在、アラブ首長国連邦・ドバイに同社最大の旗艦店出店を目指しているという。また米ウォールストリートジャーナル電子版は10月30日、イランで「アイフォーン(iPhone)」を販売するため現地の流通業者と接触していると報じた。市場としては魅力だが、歴史的な経緯からいまだに反米感情が強く、同時に同性愛者への目が厳しい国でもある。

   またアップルは2013年、ロシアで160万台のiPhoneを販売した。だがプーチン政権は、同性愛に不寛容な姿勢を続けている。巨大市場・中国も不安が残る。アップルにとっては重要な生産拠点でもある。当局は今日、表面的には差別政策をとっていないものの、いまだに同性愛に対する理解が国全体で進んでいるとはいえない。

   米国のテクノロジー系コラムニスト、カラ・スウィッシャー氏はCNBCの番組で、クック氏の告白がアップルの事業にどう影響を与えるかとの質問に、「あくまでクック氏個人の問題。iPhoneをはじめ製品は関係ない」と、切り分けて考えるべきとの見方を示した。実際、同性愛婚に反対する米連邦議会のテッド・クルーズ上院議員は、クック氏の発言について「それは彼の選択だ。いいかい、私はiPhoneが大好きだ」とコメントしている。ただし、こうした考え方が文化や価値観の異なる海外で通用するかどうかは分からない。

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