幸福の科学は「信教の自由に対する介入」と主張
この答申内容について、幸福の科学大学側は、「詳細を確認した上で、今後の対応を検討いたします」とサイト上で発表した。一方、幸福の科学出版のサイト「ザ・リバティWeb」では、記事の中で答申に反論した。
記事では、審議会の説明に従うと、神を前提としている神学や科学的証明がない哲学も教えられないことになり、文科系学問の否定になると主張した。現代のガリレオを異端審問にかけるようなものであり、「霊言」は私学の特色であり科目のごく一部に過ぎないなどと書いている。
これに対し、ネット上では、記事内容に疑問を呈する向きも多かった。「霊言学は、近代神学や哲学のように、霊言の実在自体に懐疑を持って批判する余地はあったんですか?」「カントやヘーゲルと比較しているが、こういうものは科学的証明をしているなどと主張しないだろうから同列には扱えないだろう」といった声だ。もっとも、信者とみられる人たちからは、記事などの主張に賛同の声も上がっている。
幸福の科学グループ広報局では、審議会の説明に対し、「今回の大学設置認可申請においては、霊言を元にした必修科目は設定しておりません」と反論した。その一方で、「そもそも、宗教は霊言(啓示)から始まっており、答申どおりなら、日本の宗教系大学はキリスト教系を含め成立しません。信教の自由に対する介入であり、信仰者の学問の自由に対する侵害であると考えます」と主張した。
審査プロセスを無視したとされたことについては、「委員各位が審査に必須の資料を読んでいないと判断されたので、参考資料としてお届けしただけで、不適切な行為など全くありません」と説明した。今後については、「現時点では、『5年後云々』ということは文部科学省より伝えられておりません。施設の活用については、現在検討中です」とコメントしている。