かつて「ア″ーッ!」と雄叫びをあげる「SM女王キャラ」で人気を博したお笑い芸人にしおかすみこさん(39)が、意外なところで活躍している。
実はかなりのアスリート肌であり、少し前から本格的にマラソンに取り組んでいるのだ。2014年10月に長野県で行われたマラソン大会では、なんと入賞まで果たしてしまった。
「Number」姉妹誌で紹介されたことも
1994年にデビューしたにしおかさんは、黒のボンデージ衣装をまとったSM女王キャラのピン芸で2006年ごろからブレイク。人気お笑い番組「エンタの神様」(日本テレビ系)などに出演し、「にしおかぁ~、すみこだよぉ~」と始める漫談を披露していた。
そんなにしおかさんがマラソンにはまったのは、2008年の「東京マラソン」がきっかけだった。当日は4時間45分35秒のタイムで見事完走し、以来趣味で走り続けているという。大会の記録はブログでもたびたび報告しており、そのタイムを見るだけでも急成長ぶりがうかがえる。
2011年には栃木県の「さのマラソン」に出場し、4時間05分17秒と40分もタイムを更新した。2012年の「ちばアクアラインマラソン」では3時間55分23秒と4時間を切っている。2013年に挑戦した韓国の「慶州さくらマラソン」では3時間36分42秒、2014年の「篠山ABCマラソン」では3時間31分17秒と順調に更新し続けている。
そして10月26日に開催された「サンスポ軽井沢リゾートマラソン」ではハーフマラソンに参加し、1時間36分08秒で走りきった。自己ベストを2分更新しただけでなく5位入賞も果たした。
スポーツ雑誌「Number(ナンバー)」の姉妹誌「Number Do」も注目しており、2013年3月の「フルマラソン 100人のマイ・ルール」特集号の中で、女性ランナーとしてのにしおかさんを取り上げていた。
07年にはフリーダイビング世界大会に出場
マラソン歴は約7年ということだが、昔から運動は得意だったようだ。
公式プロフィールなどによると、中学では陸上部に所属し中距離に励んでいたほか、千葉県ロードレース代表にも選出された。高校では水泳部に所属し、千葉県大会平泳ぎで優勝経験もある。また人気絶頂だった2007年には、フリーダイビングの大会で潜水記録88メートルを達成。日本代表選手の1人として世界大会にまで出場している。
一時は女王キャラとして一世を風靡したものの、テレビ番組の中で本当はドMであることをカミングアウトするなど、長らくキャラ設定に悩んでいたにしおかさん。ピークが過ぎた08年には女王キャラについて「120%で限界を感じてます...」と苦しい胸の内を明かしていた。
女王キャラを封印してからは「春風こえむ」という芸名で落語の世界にも足を踏み入れたほか、最近ではレポーターを務めるなどタレント業をメーンに活動している。とはいえ、仕事はローカル局が中心だ。
東京キー局では目にする機会がすっかり減ってしまっただけに、マラソン入賞のニュースには「たまげたな。すごい才能があったんだ」「そんなに速かったなんて」「暫くテレビに出てないなと思ったら...」といった驚きの声が相次いだ。
女子マラソンのトップレベルの選手とはまだ相当のタイム差があるが、一部では「女版猫ひろし」との声もあがり、「女王キャラ」のイメージが「アスリートキャラ」に変わりつつあるようだ。