茅ヶ崎市の木村竹彦副市長(63)が出張先のハワイ・ホノルル市で死亡した事故に関し、茅ヶ崎市は死因を発表しなかったとして批判が集中した。茅ヶ崎市は2014年10月29日に改めて説明会を開き、サーフィンをしていた際の事故だったと説明した。しかしこのことは既にハワイの地元紙が報道していて、市の対応は後手後手に回ってしまった。
しかし、なぜ茅ヶ崎市は木村副市長の事故原因や死因を語らなかったのだろうか。ネットでは「労災についてではないか」「遊んでいたことがバレるから」などと様々な憶測が流れている。
ホノルル市と妹都市関係を締結しワイキキビーチで死亡した
茅ヶ崎市は14年10月28日に記者会見を開き、木村副市長がハワイ・ホノルルに出張中の14年10月25日午前(日本時間26日未明)に公務中の海岸で事故死亡したと発表した。どんな事故に巻き込まれたのか、死因などについては「遺族からの強い希望でコメントは控えたい」として明さなかった。これに関し、公務中の事故内容をなぜ隠すのか、遺族の強い要望など通らない、などと激しく批判されることになった。
市はこうした批判を受け、14年10月29日の午後5時半から「市長とメディア各社との面会」という形で再度説明をすることになった。しかし、事故内容や死因については既にハワイの地元紙が報道を終えていたため、それを確認する作業になってしまった。
ハワイ最大の新聞「The Honolulu Advertiser」の26日付け電子版には警察と救急医療サービスの発表として、ライフガードが着く前の25日午前7時半頃に63歳の男性がサーフィン中に死亡した、と書かれている。名前と国籍は書かれていないが、これが木村副市長なのだろうとネットで噂が広がっていた。そして「The Honolulu Advertiser」は28日付けの電子版で詳細を書いた。そこには、木村副市長は茅ヶ崎市とホノルル市の姉妹都市協定締結をするために訪れ、妹都市関係を結ぶ仕事を達成した後にワイキキビーチで死亡した。体は海底にあり水から引き出された後にストラウブクリニックに搬送されたが土曜日の朝に死亡が確定した、などと書かれている。
茅ヶ崎市の服部信明市長は29日のメディアとの面会で、25日朝のワイキキビーチでのサーフィン中の事故だったと説明した。この日の朝7時頃に市長を含む市職員ら6人でビーチに行き、めいめいにサーフィンや海水浴をしたが、木村副市長が意識を失った状態で発見されたと明かした。
サーフィンは趣味ではなく文化交流のために練習した
それではなぜ前回の記者会見で事故内容や死因について語らなかったのか。茅ヶ崎市の秘書広報課の担当者は「言い訳のように聞こえるかもしれないが」と前置きしたうえで、隠すつもりなどは全くなく、事実が分かり次第、順次発表する予定だった、ハワイでの検視が4週間ほどかかるということで、それを待ってからということになり市としては話ができない状況だった、と説明した。急きょ29日に説明をしたのは、前回の記者会見で「遺族の強い意向」と語ったことが「遺族のせいにするな!」などといった強い反発を呼び、遺族の名誉回復のためにも開かざるを得なかった、という。地元紙の報道がきっかけになったわけではない、とも話した。
また、木村副市長はサーフィンをしていて事故に遭ったのに、それを「公務中の事故」と発表したことについても「市は嘘の発表をした」と批判されている。これについては、
「私どもの認識では、公務というのは出発してから戻るまでをいいます。公務中には食事をしたり休憩したりもが、そうしたことも公務に含まれていて、木村副市長がサーフィンをしたのは『公務中でのプライベートな時間』と捕らえています」
ということだった。労災が下りるかについてはまだわからないという。木村副市長にとってサーフィンは趣味ではなかったそうで、ホノルル市と姉妹都市になれば文化交流でサーフィンも話題になるだろうからと思い立ち、練習を始めたばかりだった、ということだった。