タレントのテリー伊藤さん(64)がエボラ出血熱の感染拡大を巡ってテレビ番組でした発言が、ネット上で物議を醸している。
エボラ出血熱の感染が拡大し、西アフリカを中心に感染者は1万人を超えた。国境なき医師団から現地に派遣された米国人医師も、帰国後に発症して大騒ぎになっている。
「エボラ持って帰ってきたらどうすんだよ」
テリー伊藤さんの発言は、2014年10月27日朝放送の日テレ系情報番組「スッキリ!!」でその状況を映像で紹介する中であった。
「日本の知識がね、全部実は向こうの映像だけをもらっただけなんだよね」
テリーさんは、こう嘆くと、次のようにまくし立てた。
「それこそ、リベリアとかギニアにね、実は日本のスタッフが行って、先ほど言った国境なき医師団の皆さんと一緒に、1か月でも何でもずっと取材にくっついて行って、そういう映像がどんどんどんどん入ってくるんだったらいい」
「今はそれこそ予防どうしよう、薬どうしようということは、何かちょっとすごく内的なんですよ」
この番組で流した映像も、マスコミでなく国境なき医師団が撮影したものになっている。
そのことを番組内で指摘されると、テリーさんは、「あ、そうですよね」としながらも、「日本のマスコミが行ってですね、こういう映像を撮ってきて、こういうのをリアルにどうだったかということを聞くことがもっと身近に感じると思う」と述べた。さらに、「日本全体がまだまだですね、他人の話で終わっているというのは、すごく嫌なんですね」と苦言を呈した。
この発言が一部メディアで取り上げられると、ネット上では、テリーさんへの非難が沸き起こった。「じゃあお前が行け」などとテリーさんが現場でリポートすべきとの声が出たほか、「エボラ持って帰ってきたらどうすんだよ」「行かなくていい、行ったら帰ってこなくていい」といった危惧も相次いだ。
テリー、日本への感染拡大には神経質?
こうしたネット上の危惧は、番組が放送された後の2014年10月27日夜になって、現実味を帯びることになった。米大手メディアに勤めるとされる日系カナダ人のジャーナリスト男性(45)がリベリアでの取材後に日本に入国し、感染が疑われているという一報が飛び込んだからだ。
これを受けて、ネット上では、「徒に取材に行けばこういうリスクが生じることは想像できない人なのかな?」といった指摘が次々に出た。テリー伊藤さんの発言について、「言ってる事は正しい気がする」「日本も当事国である認識持つべきという部分は同意」という声もあったものの、風当たりは強いようだ。
前出の「スッキリ!!」では、翌28日の放送で、ジャーナリスト男性の問題について取り上げられ、テリーさんは今度は、日本への感染拡大阻止についてかなり神経質な意見を述べた。現地から帰国したジャーナリストや医療関係者は、施設に隔離はできないとしても、国がホテルをチャーターするなどして、そこに何週間か入ってもらうというものだ。
番組では、エボラは発症しない限り感染しないとの専門家からの指摘があったが、テリーさんは、発症していなくてもそうすべきだと独自の立場を繰り返した。「それくらいしないと、万一の場合どうするんですか」というのだ。
この意見についても、「追跡に掛かる手間と費用を考えたら、その方が現実的」との賛意もあるが、「どこの世界にエボラ患者の疑いのある人を泊めるホテルがあるんだ?」「感染対策ってプロでもすごく大変なのに、医療者でもないホテルマンが管理できるわけないじゃん」といった異論が出ている。