ドイツのルフトハンザ航空のカール・ウルリッヒ・ガーナート最高経営責任者(CEO)が来日し、2014年10月28日に都内で会見した。国内の航空会社が「ジャンボジェット」として知られたボーイング747型機を相次いで退役させたのに対して、ルフトハンザは新型の「747-8」と呼ばれる機種の導入を進めており、日本路線にも投入したばかり。
2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて、さらに大型のエアバスA380の羽田乗り入れを検討する考えも明らかにした。
新型ジャンボの全長は747-400よりも5.6メートル長い
747-8の全長は従来の747-400よりも5.6メートル長い76.3メートルで旅客機としては世界最長。400に比べて燃費が大幅に向上した上、二酸化炭素(CO2)15%、騒音30%の減少に成功したという。フルトハンザでは12年から導入を進めており、14年冬ダイヤからフランクフルト-羽田路線にお目見え。初便が10月27日に羽田空港に到着した。
羽田国際線の発着枠増加を受け、日本に乗りいれる航空会社の間では成田便を減らして羽田便を増やすケースが相次いでいる。ガーナート氏は、この点については慎重姿勢だ。
「東京~横浜圏の人口は非常に多く、2つの空港でも十分に対応できる。羽田は横浜と東京都心、成田は東京圏の北部をカバーしている。羽田と成田の需要は非常に良いレベルにある」
羽田と成田の客層ごとに座席の構成比を変える
仮に羽田に路線を一本化できるように日独の協定が規制緩和された場合でも、空港の客層別に座席構成比を調整して両空港への乗り入れを続けたい考えだ。
「空港を1つに集約できることになったとしても、おそらく両空港を使い続けるだろう。羽田はビジネス客向けに、例えばファーストクラス、ビジネスクラス80席、プレミアムエコノミー(で座席を構成する)。成田ではビジネスクラスは40席(に減らし)、さらに多くのエコノミークラスの席を割り当てて個人旅行者向けにするだろう」
さらに、2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて需要が伸びることにも高い期待を見せた。
「当面の間は787-8で非常に満足している。良い機体だ。だがもちろん、2020年の東京五輪に向けて、羽田でもA380を使えるようになればいい。(羽田に)期待される需要からすると、A380も良い選択肢だ」
ルフトハンザの場合、羽田に乗り入れを始めた747-8が362人乗りなのに対してA380は約1.3~1.5倍の461~526人を乗せることができる。
ルフトハンザのA380をめぐっては、10年夏に成田空港に乗り入れたが13年秋に撤退したという経緯がある。羽田線は成田と比べても需要が大幅に伸びるとみているようだ。