日本でも、広域の地銀連合構想
政府・与党内で「日本版スーパー・リージョナル・バンク構想」が浮上していることも、りそなが注目される大きな理由だ。スーパー・リージョナル・バンクは米国の州を超えた広域地方銀行。人口が減少しているにもかかわらず、100を超える地方銀行がひしめき合う日本でも、広域の地銀連合をつくり、収益力を強化すべきだという声は多い。
金融庁は水面下で地銀に対して再編を含めた生き残り策の検討を促しており、自民党も今年5月、政府への提言に「スーパー・リージョナル・バンクの創設」を盛り込んだ。りそなは全国展開する中核のりそな銀行に加え、埼玉が地盤の埼玉りそな銀行、近畿を営業エリアとする近畿大阪銀行を傘下に持つ。実質国有化される前には自ら「スーパー・リージョナル・バンク」を掲げていただけに、りそなに対して「地銀再編の主役になるべきだ」(経済官庁幹部)と期待する声は根強い。
りそなは今後、金融庁との間で公的資金の完済をめぐる協議を本格化させる。その中で、金融庁から納得のいく成長ストーリーを求められるのは必至だ。日本だけで営業する国内基準銀行の最大手として、国内営業基盤の拡大に向けた提携や再編に乗り出すのか。りそなが繰り出す次の一手を金融界は注視している。