毎日新聞ヘリが航空法規則違反の疑い サイクリング大会で「低空飛行」、2人重軽傷

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   2014年10月26日に開催された、愛媛・広島両県にまたがる「しまなみ海道」をコースにした国際サイクリング大会「サイクリングしまなみ」で、参加者がめくれ上がった滑り止めのマットにぶつかり、重軽傷を負う事故が起きた。

   毎日新聞の取材ヘリが付近を飛んでいたことから、マットがめくれた原因に関連する可能性があるとして、警察は捜査を進めている。現場の状況から、ヘリは航空法施行規則に違反している可能性がある。

重さ10キロ以上のマットがめくれ上がる

今回が初開催だった「サイクリングしまなみ」
今回が初開催だった「サイクリングしまなみ」

   事故は9時15分ごろ、スタート地点の今治から、コース上1つ目の離島である大島を結ぶ来島海峡大橋で起きた。

   愛媛県警伯方署によると、けがをしたのは中上級者向けコースに参加していた54歳男性と45歳女性の2人。走行中、突然めくれ上がった縦1メートル、横1.8メートル、重さ10キロあまりの樹脂製のマットに激突した。男性は右手の靭帯を損傷、女性は擦り傷などの軽傷を負った。入院などはしていないという。

   マットは橋の連結部分の滑り止めとして磁石で固定され、当日は強い風などは吹いていない好天だった。そのため県警は、事故現場付近を飛行していた毎日新聞の取材ヘリの気流などが影響し、マットがめくれ上がった可能性があるとみて関連を調べている。

   毎日新聞は27日、「本社ヘリコプターからの気流で事故を招いた可能性があり、負傷された方に申し訳なく思っております。事故原因の調査や捜査には全面的に協力します」と社長室広報担当のコメントを紙面などに掲載した。

ヘリは水面から120メートルの低空飛行

   同社によると、ヘリのパイロットは事故直後に自転車などが倒れているのを把握した。その後、本社に連絡が回り、事故に影響した可能性があるとして、運営に申し出たという。

   事故当時、付近を飛んでいた飛行機を避けるため、ヘリは高度を水面から120メートルに下げていたという。橋桁の高さはおよそ60メートルであることから、ヘリは事故現場からわずか60メートルほどの高さで飛んでいたことになる。

   これは、航空法施行規則に違反している恐れがある。同規則では、航空管制によらない「有視界飛行方式」で飛行する航空機は市街地、または周囲に家屋などがない場所を除く地域では、「地表面または水面」から150メートル以上の高度を保つことが規定されている。今回の事故現場は上記の地域に該当するとみられ、同規則に抵触している可能性がある。

   運営担当者は、事故を「想定外だった」と話す。昨年に愛媛県側だけで同様のイベントを開催し、今回の初開催に向けて安全確認は入念に行っていたという。大会前から注目を集め、今後の開催を望む多くの声もあったというだけに、思わぬ事故が水を差した格好だ。

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