「バーバリー」の集客力は大きい
三陽商会は、バーバリーで展開してきた全国の百貨店の店舗のほとんどをマッキントッシュ・ロンドンに置き換えたい考えだ。40年以上にわたる努力で必死に築いてきた優良な売り場を何としてでも確保したい考え。
だが、関連業界からは「ブランドを替えれば済むような単純な話ではない」(流通関係者)との見方は強い。ある百貨店関係者は「バーバリーを持っているからこそ、三陽商会の価値は高かった」と突き放す。百貨店側にとっては、それだけバーバリーの集客力は大きく、貴重な存在なのだ。杉浦社長は新ブランドの店舗展開について、「大手百貨店の感触はよく、『良いものを提供してくれ』という声が大きい」と述べ、百貨店の期待は高いと指摘した。しかし、百貨店にとっては、いかに大きな集客力を見込めるかが売り場提供の最大のポイントなのは言うまでもない。
「他のアパレル各社も、三陽商会が持っていた優良な売り場を狙うチャンスと見て活発に動き出している」(流通関係者)といわれている。三陽商会は新ブランドでいかにバーバリーを上回る魅力を出せるか。新ブランドの展開が始まる来年秋に向け、三陽商会の本当の力が試されるといえる。