9月1日の防災の日に合わせて発表したものだった
呼びかけの背景には何があったのだろうか。
取材に対し、経産省からは「これは9月1日の防災の日に合わせて発表したもの」という回答があった。
東日本大震災では被災地だけではなく、各地のスーパーなどでトイレットペーパーが不足する事態が起こった。こうした災害時に備えるよう、日常用のものとは別に1か月分の備蓄用を常備することをすすめるものだという。
発生の恐れがあるとされる東海地震について新たな観測結果や予知があるのかと、今回の呼びかけと結びつけて不安視する声があったことを伝えると、
「東海地震について具体的に何かが関係するのではなく、あくまで『もしもの時のために』備蓄をしておくよう、防災の日をきっかけにした一般的な呼びかけです」
という答えだった。番組ではこうした背景の詳細までは伝えていなかったためか、同省にも「静岡で何かあるのか」などと視聴者たちから問い合わせがあったという。
10月18、19日、東京・銀座で同省と協力して、トイレットペーパーの備蓄を呼びかけるイベントを行ったNPO法人「緊急災害備蓄推進協議会」によると、「経産省の呼びかけについて知っている人はあまりいませんでした」という。発表から2か月近くがたつが、認知はまだ深まっていないようだ。
同会は備蓄用に芯がなく、長巻でスペースを取らない新商品を開発し、販売している。この備蓄用をイベントで配布したところ、「街の人は足を止めて、話しを聞いてくれた。各家庭に備蓄してもらえるよう、これからさらにPRしていきたい」と話している。