スマホにかかわる日本企業、枚挙にいとまがない
リチウムイオン電池の供給先について、日立マクセルは「足もとで、大得意先のシェアは50%ありません」としており、早急にハイエンド向けスマホに依存した体質の改善を図る。
そのため、併せて発表した経営合理化策では早期退職制度を導入。リチウムイオン電池を生産している京都府の工場を中心に、2015年3月までに国内従業員の最大10%にあたる250人を削減する。
早期退職の対象は40歳以上の正社員。募集期間は2014年11月下旬から15年1月15日までで、退職日は15年2月28日付。また、経営責任を明確化するため、5人の取締役と4人の執行役が役員報酬を10月から自主的に一部返上することも明らかにした。
退職割増金など必要な費用は有価証券などの資産の売却益でまかなう考えで、そのため現時点の業績予想では、当期純利益は67億5000万円に据え置いた。
タッチパネルや液晶パネル、高性能プロセッサ、大容量DRAM、フラッシュメモリ、無線LANやGPSモジュール、ジャイロセンサー、加速度センサー、電子コンパス......。スマートフォンの部品は多種多様だ。
2014年9月に発売された米アップルの「iPhone6」に搭載されていた部品は、半分が日本製だったと話題になったが、実際に多くの日本製の部品が採用されている。
スマホにかかわる日本企業は、パナソニックやシャープ、ソニー、東芝、アドバンテスト、京セラ、村田製作所、TDKなど、枚挙にいとまがないほど。
日立マクセルの千歳喜弘社長は、中国のスマホメーカーの拡大によるハイエンド向けのリチウムイオン電池の急減は「3月の株式再上場時には予想できなかった」と話した。現在、スマホ市場は激変中というわけで、業績修正を余儀なくされる日本企業は、まだありそうだ。