年功序列賃金「見直し論」急浮上 安倍首相が提起、連合は反発

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日立の新制度が話題に

   ところが、バブル崩壊の1990年代以後、新卒の採用を抑えた結果、中高年社員の比率が高まり、その「割高」な賃金が企業の負担になった。中高年狙い撃ちのリストラなどが広がるとともに、労働規制緩和で非正規社員を増やしたり、会社の業務の一部を外部に出すアウトソーシングも拡大したりするなどし、若者の非正社員化が拡大。特に、卒業時の景気が悪いと若者の正社員としての就職が難しくなることが社会問題化した。

   正規・非正規などの人員構成の問題だけでなく、グローバル化や技術革新が進む中で競争力を高めるために中途採用の必要が高まったという問題もある。年功賃金が、外国人を含め多様な人材を取り込む上で妨げになるという問題も意識されるようになったのだ。

   実際に、世界展開するグローバル企業を中心に、賃金体系の見直しは既に進んでいる。日立製作所が10月から、国内の課長相当職以上の管理職約1万1000人を対象に、年功の要素をなくし、管理職の等級を4段階から7段階に再編して成果を加味して賃金を決める新制度を導入したというニュースは記憶に新しいところ。他にも日産自動車はいち早く2000年度から課長級以上の管理職で、2004年度から一般社員で年功序列を廃止済み。ソニーは2015年度をめどに、全社員を対象に、年齢に関係なく、担当する仕事の内容で給与が決まる制度を導入する方針。パナソニックも10月から管理職を対象に、ポストに応じて給与が決まる制度に変更――といった具合だ。

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