大阪市の橋下徹市長と「在日特権を許さない市民の会」(在特会)桜井誠会長との「面談」後、大阪市役所市民局の電話が鳴りっぱなしだ。
面談中の言葉づかいや態度が「市長にふさわしくない」などとして、批判的な意見が相次ぎ寄せられているという。
電話9台で対応するもパンク状態
面談はヘイトスピーチが問題となっている「在特会」が申し入れたことで2014年10月20日に実現した。その前日、橋下市長は「大阪で差別表現をやるのは許しません。『在特会』にはきちっと言おうと思っています」と記者団に意気込みを語っていたが、当日は「意見交換会」とは名ばかりの怒号の応酬に終始した。
冒頭から「あんたが言い出したことだろう」「あんたじゃねえだろ」と互いにけんか腰で、その後も「お前な」「お前って言うなよ!」「うるせえ、お前、お前だよ」と子供の口げんかのような言い争いが続いた。結局、議論自体もほぼかみ合わないまま、橋下市長の「帰れ」との一言で終了。予定時間の3分の1にも満たなかった。
橋下市長は21日の当庁会見で、口げんかのようにしか見えないと言われていることに「マイナスだと感じる人は感じたらいいんじゃないですか。『大人の、市長のふるまいを』というのは簡単ですけど、じゃあやってみろと」とコメント。問題があったとは考えていないようだ。
しかしその裏で「尻拭い」に追われているのが市役所だ。市民局の担当者によると、市民局だけで21日夕方までに約170件の電話が寄せられた。橋下市長を応援するような内容の電話もあったが、およそ6割が「言葉づかいや態度が市長にふさわしくない」といった市長への批判的な電話だったという。
ほかに、代表番号だけで受けた電話や他部署にかかってきた電話などもあるため、市役所への問い合わせ総数はそれ以上になるそうだ。市民局では9台の電話で対応しているが、21日夕以降も電話は鳴り続け、22日夕でも相変わらずパンク状態となっている。