「おいしいのですが日持ちもしませんし数に限りがあります」
そんな「エキストラバージンオリーブオイル」だが、関係者によると「国内のスーパーなどに出回っている8~9割は『エキストラバージン』とは言えません」という。
オリーブオイルの研究や啓蒙・普及活動を行う、日本オリーブオイルソムリエ協会で年1回開催する品評会、「国際オリーブオイルコンテスト」(2014年は世界21カ国から400品目が応募)でも、全出品の約35%が「エキストラバージン」と表記されていても規格を満たしていなかった。
同協会は、「エキストラバージンは、いわばフレッシュジュースと同じ状態です。オレンジジュースで考えていただくとわかりやすいと思いますが、果汁100%といっても濃縮還元のジュースがあるように、工程によって異なります。エキストラバージンは生の搾りたてですから、おいしいのですが日持ちもしませんし数に限りがあります」と説明する。
そもそも、オリーブの収穫量によっても毎年の生産量が変わってくる。本来であれば、なかなかコンスタントに販売できる商品ではないが、それが世界中で人気となり売れている。どこかで品不足になっていてもおかしくないのに、だ。
同協会は「エキストラバージンの偽装は以前、米国でも問題視されました。いまや世界的なことです」と話している。
ちなみに、日本には国際的な品質規格である「エキストラバージン」規格の法規定そのものがないため、偽エキストラバージンオリーブオイルが出回っても、「品質偽装」には当たらないそうだ。