政府税調メンバーには現役首相時代にも贈っていた
中村氏以外には、「中曽根ネギ」は引き続き贈られたようだ。石弘光・一橋大名誉教授は、近著「国家と財政 ある経済学者の回想」(東洋経済新報社)の中で、自らが政府税制調査会の一員として1985~87年のいわゆる「中曽根税制改革」に関わったことに触れるなかで、
「私自身、このような歴史的な動きに時の首相と議論できたことは非常に幸せであった。中曽根首相は、年の暮れに世話になった人に群馬名産の下仁田ネギを贈るのが恒例と聞いていたが、わが家にそのお歳暮が送られてきた。すき焼きの材料として美味しくいただいたのを思い出す」
と回想している。中村氏にネギが贈られなくなって20年も後の出来事だ。中村氏に対しては運輸相就任後にネギを贈るのをやめたのに対して、石氏には現役首相時代にも贈っていたことになる。
小渕氏も「お世話になった人」に配っていた可能性が強い。