将来的には世界での展開も見込める
損保各社が再生医療分野の保険に注力するのは、主力の自動車保険をはじめとする国内市場が人口減少で頭打ちとなっているためだ。再生医療は日本がリードしているうえ、再生医療安全確保法は、医療機関から委託を受けた企業がiPS細胞などの培養を手がけることを認めている。
経済産業省によると、再生医療に関する2030年の国内市場規模は1.6兆円と、2012年の約60倍に拡大する見通し。保険のニーズは細胞を培養する事業者にも広がっており、損保業界では「契約は10倍以上に増えるだろう」(損保関係者)と期待が高まっている。
再生医療分野に関する保険のノウハウを確立すれば、将来的には世界での展開も見込める。近年まれに見る成長分野の主導権をどの損保会社が握るのか、今秋から激戦が繰り広げられそうだ。