イスラム教スンニ派過激派組織「イスラム国」に対する掃討作戦が本格化するなか、イスラム国側も戦力を強化しつつあるようだ。イスラム国はシリアやイラクで多数の油田を占拠し、そこで採掘された石油を密売して武器調達の原資にしている上、制圧に成功したシリアとイラク政府の軍事拠点から重火器や戦車を略奪しているとされる。
イスラム国はこれに加えて戦闘機も手にしたという証言もでてきた。仮にこれが事実であれば、国際社会にとってさらに脅威が増すことになる。
低空飛行繰り返すのを周辺住民が目撃
英国に本拠地を置くNGO、「シリア人権監視団」は2014年10月17日、「信頼できる情報源」の話として、イスラム国が飛行可能な戦闘機3機を保有しているようだと発表した。戦闘機は旧ソ連が開発したミグ21やミグ23とみられ、制圧したシリア軍の基地から奪ったようだ。訓練が行われている基地は、イスラム国がシリアでの重要拠点と位置付けている都市、アレッポの東側にある。
これらの戦闘機にミサイルが搭載されているかは明らかではないが、サダム・フセイン政権時代の旧イラク軍パイロットがイスラム国に参加してパイロットの訓練に携わっているという。
訓練は着々と進行している模様だ。シリア人権監視団の発表によると、基地の近隣住民は戦闘機が基地を離陸し低空飛行するのを複数回にわたって目撃している。