世界では「ダウンサイジングターボ」が全盛 トヨタ、ホンダもHVだけでは危ない

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スカイライン2000GT‐tのターボエンジンは「ベンツ」製

   「ダウンサイジングターボ」は、じつは日本の税制面でも「お得」とされる。日本の自動車税は排気量で決まり、エンジンの出力や過給器の有無などは問われないからだ。

   たとえば、フランスやイタリアなどはエンジン出力に対して課税される。半面、日本では2.5リットルと同じ程度のパワーを発揮する、「水平対向直噴ターボエンジン」搭載のスバルの「レヴォーグ」であっても、自動車税はあくまで1.6リットルという排気量で決まる。つまり、「燃費」と「走り」に加えて、経済的な優位性が見込めるわけだ。

   1979年に国産初のターボエンジン搭載車を送り込んだ日産自動車も、スポーツ用多目的車(SUV)の「ジューク」や、看板の高級スポーツセダン「スカイライン」にターボエンジンを搭載。2014年に相次いで発売した。

   ただ、6月に発売したスカイライン2000GT‐tには、ルノー・日産とダイムラーとの戦略的提携の成果として、独メルセデス・ベンツで使っているターボエンジンを採用した。欧州勢が得意とする排気量を小さくしながら大きな出力を得られるターボエンジンを流用することで、エンジンの開発費用とそれにかかる時間を節約したわけだ。

   日本車はHVやEV、燃料電池車などの研究で世界をリードしていることは間違いない。しかし、世界を走るクルマの多くは今なおガソリンエンジン車であって、HVではない。環境性能をめぐっては、欧州車にクリーンディーゼル車で後塵を拝し、世界的なトレンドになりつつあるダウンサイジングターボ車でも後れをとってしまったようだ。

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