「湘南」といえば、いったいどこからどこまでを指すのか――そんな議論が、またぞろ話題となっている。
きっかけとなったのは、地域系サイト「Jタウンネット」の記事だ。ツイッター、フェイスブックなどでは、地元出身者を中心に「ウチは湘南だ」「あそこは湘南じゃない」などとさまざまな声が出ている。そこから見えてきた、現代の「湘南」の範囲とは。
「相模湾沿い全部湘南!」に「広すぎ!」
「湘南ボーイ」という言葉も今や死語だが、古くは石原慎太郎氏の小説や映画「若大将」シリーズ、最近でもサザンオールスターズや湘南乃風の楽曲の舞台として、きらめく太陽、輝く海のイメージとともに、今なお「湘南」という地名はちょっとしたブランドだ。
にもかかわらず、湘南の範囲には定説がない。たとえば平凡社の『世界大百科事典』では、
「神奈川県中部、相模湾岸一帯の地域名」
としつつ、「範囲は一定していない」として断定を避けている。
ところが最近、神奈川県の進める観光プロジェクト「かながわシープロジェクト Feel SHONAN」では、
「湯河原から三浦までの相模湾沿岸を『湘南』と呼びます!」
と宣言してしまった。要するに小田原や横須賀なども含めた神奈川県の相模湾沿いすべてが「湘南」だというのだ。
Jタウンネットが2014年10月7日、この事実を取り上げたところ、地元在住者を中心に、ツイッターやフェイスブックでたちまち議論が沸騰した。圧倒的に多かったのは、
「いくらなんでも広すぎるだろ!」
という声だ。