略奪行為としての奴隷の獲得は禁止されている?
奴隷は、人間としての権利や自由を認められず、他人の私有財産として労働を強制され、また売買や譲渡の対象になった。古代ではギリシャやローマ、近代では米国でも存在した。
イスラム世界でも、奴隷制はあった。「シャリーア(イスラム法)」では伝統的に、ジハードで敵から奪ったものは「戦利品」として戦闘員に分配され、女性や子どもは奴隷として所有したり売買したりできるとされる。
このため、イスラム教は「奴隷=悪」という立場をとらない。ただし、たとえば女性への教育や結婚した者は報われる、奴隷には温情をもって接する、略奪行為としての奴隷獲得の禁止などの規定があるという。
イスラム国の行為はイスラム教の教えにも背いていることになる。
前出の日本エネルギー経済研究所の保坂修司研究理事は「奴隷制度をもう一度復活させることは、コアの支持層に対するアピールになる」と語り、支持拡大を図っているとみている。