ネット上でも検閲強化、「サイバー亡命」起きる
エコノミスト誌はまた、メディアばかりでなく、ネット上の言論についても統制の動きが出ていると報じている。
事実、韓国の捜査当局が通信秘密保護法の下にネット上のデータ押収を試みた行為は、2013年1~6月が983件だったが、その後は急激に増え、14年1~6月は2131件にまで膨れ上がっている。
朴槿恵大統領は、それでもネット上で高まる批判に業を煮やし、2014年9月16日の閣議で、「大統領への冒涜的な発言が度を超している」と発言した。これを受けて、韓国の検察は18日、ネット上でリアルタイムの監視を行うことを表明し、専門チームを作って名誉棄損などへの摘発強化に乗り出した。
こうした動きは、「サイバー検閲」だと、韓国のネット上で大騒ぎになった。
監視が強いとみられた国内企業の「カカオトーク」からは、利用者の流出が相次ぎ、セキュリティ機能が高いとされたドイツの「テレグラム」への大移動が起こった。報道によると、10月上旬の1週間だけで約150万人もの移動があったというのだ。
これは、韓国のネット上で「サイバー亡命」と呼ばれている。ネット上の言論統制を強化した結果、国内企業ではなく海外企業が恩恵を受けるようになったとしたら、皮肉なことだろう。