観劇費用を補てんしていれば「法律に引っかかるという認識は持っている」
一方の小渕氏は、10年と11年に後援会関係者向けに開いた「観劇会」で、収支報告書の収入と支出に約2600万円のズレがあることが10月16日の週刊新潮の報道などで明らかになった。仮に観劇費用の一部を小渕氏側が負担していたとすれば、有権者への利益供与を禁じた公職選挙法に違反する疑いがある。
小渕氏の方が、松島氏よりも「外堀が埋まっている」と言えそうだ。16日の参院経済産業委員会では、小渕氏は
「まず、実費を皆さん方が納めていただいているかどうかというところ大事なところではないかと思うし、私の方で、それを補てんしたということになれば、法律に引っかかるという認識は持っている」
と、調査結果によっては自らに責任が及ぶとの見解を示しており、翌17日の衆院経済産業委員会で12年の観劇会の収入と支出が同年の政治資金収支報告書に記載されていないことを指摘されると、
「知らなかったでは済まされないという思い」
と、一歩踏み込んで自らの監督責任にも言及した。
小渕氏は、現時点では「調査中」の一点張りだ。10月17日の朝日新聞朝刊によると、05年から11年の「観劇会」の収入と支出の差額は約5330万円におよぶ。「調査」の範囲は広がる見通しだが、いつまでも「調査中」で逃げ切るのは困難だとみられる。