党籍はく奪処分を受けた幹部の愛人だった?
徐才厚氏は胡錦濤政権時代の制服組トップ。12年に引退したが、職務上の権限を利用して不正な人事を行うなど、規律違反を犯していたとして14年6月に党籍をはく奪された。さらに収賄の容疑により、現在は検察院で調べを受けている。
軍のトップまで務めた人物がこうした処分を受けるのは極めて異例だ。背景には同じく党籍はく奪された習近平氏のライバル薄熙来・元重慶市書記や、「重大な規律違反」のため立件された周永康・元政治局常務委員との関係も取りざたされている。習政権にとって、張さんが徐氏の愛人だったといううわさは敏感にならざるをえない問題なのだ。
うわさの根拠や真偽は不明だ。しかし、軍所属の歌手が高級幹部の妻や愛人になることはめずらしいことではない。習近平氏の妻はトップ歌手の彭麗媛氏、江沢民元国家主席も軍所属歌手を愛人にしていると疑惑があった。インターネットで「張瀾瀾」は、「徐才厚」や愛人を囲うことを意味する「包養」などが関連キーワードとして一緒に検索されたこともあったほどだ。
香港の英字紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストは寄稿文が公開された理由について「張さんの疑惑を晴らそうという意図があった」と見立てを書いている。一方、すぐに記事が削除されたのは「張さんの過去の経歴について話題が蒸し返されるのを避けたのではないか。党中央は習近平氏にまつわるいかなるネガティブな話題を嫌っている」という専門家の意見を紹介している。
現在、「張瀾瀾」に関する記事は、うわさを書き込まれた掲示板など次々と削除が進んでいる。