「中国軍で一番の美女」と呼ばれ、6年前から消息を絶っていた中国人民解放軍所属の歌手・張瀾瀾さんが久しぶりにメディアに登場し、波紋を広げている。習近平国家主席の弟・遠平氏の妻として紹介されたからだ。
しかし記事はすぐに削除されてしまい、現在は「法律と政策によって検索結果を表示することはできません」と、その名前をインターネットで検索することさえできない。
遠平氏直々の寄稿記事が削除
張さんは重慶市の貧しい労働者階級の家庭に生まれ、15歳で解放軍にスカウトされて入隊。歌手や女優として活躍し、中国のテレビ番組ではおなじみの大スターだった。「軍中第一美女」と呼ばれた彼女だったが、2008年はじめに政府主催のイベントで自慢の歌声を披露して以降、突如として公の場から姿を消していた。
しかし、遠平氏が父で建国の元老である故・仲勲氏の生誕101周年記念にちなんで、習家について寄稿した、広東省深セン市の地元紙「深セン特区報」の2014年10月15日付の記事によって、これまでの経緯が明らかになった。消息を絶った2008年に遠平氏と結婚。その後、妊娠したため表舞台から姿を消していたというのだ。
遠平氏は張さんについて「気取らず誠実な女性。素晴らしい経歴を持っているだけでなく、よき母であり、よき妻だ」と語り、2ショットの写真も掲載されていたという。
これまで謎とされてきた消息が明らかになった形だが、現在はエネルギーや環境問題を研究するNPO法人「国際節能環保協会」の会長を務め、何と言っても国家主席の弟である遠平氏が直々に寄稿した記事がなぜ削除されたのか。
背景には、張さんと複数の軍幹部の間に存在するよからぬうわさが関係しているようだ。その1つは、軍最高幹部である中央軍事委員会副主席を務めた徐才厚氏の愛人だったというものだ。