小学校の副校長(57)が教育実習に来ていた女子大生を居酒屋に呼び出し、「口は堅い方か」などと聞き、女子大生が履いているパンストを「5000円で売ってくれ」と頼んだ。女子大生は断りきれずにトイレでパンストを脱ぎ副校長に渡した。
女子大生から相談を受けた大学が2014年1月に小学校に問い合わせ、不祥事が明るみに出た。東京都教育委員会は「セクハラにあたる」とし、14年10月16日、副校長に停職6カ月の懲戒処分を言い渡し、同日付で辞職した。処分までに時間がかかったのは副校長が「老人から頼まれただけ」とセクハラを否定し続けたからだった。
「バイト代の明細を渡し忘れてしまった、取りに来るように」
都の教育委員会の話によれば、この女子大生が教育実習をしていたのは13年5月から6月にかけてで、東京多摩地区の公立小学校だった。女子大生はその後、夏休み期間にプールの授業を手伝っている。教員を目指す学生は教育実習後に世話になった学校にボランティアで手伝いに行くことが習わしになっているためだ。
本来ならプールの授業の手伝いを最後に学校との関係は終了するのだが、副校長から直々に、「プール授業のバイト代の明細を渡し忘れてしまった、取りに来るように」と、13年10月7日夜に居酒屋に呼び出された。居酒屋にいた副校長は女子大生に対し「口は堅い方か」などと確認し、
「いま履いているストッキングを5000円で売ってほしい。知り合いの老人に頼まれている」「コンビニで新しいものを買えばいい」
などと女子大生を説得。女子大生は最初断ったが押し切られ、トイレでパンストを脱いで副校長に渡すことになった。
さらに、10月10日にも「教師になるための相談にのってやる」などと説明してカラオケ店に呼び出し、「退職後はマッサージ師になるつもりだ」と説明して、女子大生の肩や首を右手で約1分間もんだりしたのだそうだ。