学校給食の中国産食材、都内で見直しへ 杉並区に続き世田谷、板橋なども

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

保護者から問い合わせはあるが...担当者「正直苦しい」

   ただ、中国産食材をいっさい使用しないというのは難しい。緑豆春雨やキクラゲなど中華料理風の献立に欠かせない食材や、99%以上を輸入品に頼るゴマなど、なかなか代替できない食材も多い。タケノコなど日本で収穫できる季節が限られているものも少なくない。

   また、目黒区はサッカーW杯期間中に対戦国の料理を献立にするなど、給食を外国文化に触れ合う機会として大切にしている。そうした中、ザーサイなど手に入りにくいものは中国産に頼らざるを得ない部分もあるという。

   国産食材へと切り替える際に懸念されるのが給食費の問題だ。ある区の担当者は「基本的には国産が中心で、海外産は安全性が確認できたものを使っている。しかし、すべてを国産にするとなると正直苦しい。家庭ごとの所得の問題もあるので」と頭を悩ませる。別の区の担当者も価格面で2倍以上の開きがある食材は使いづらいと明かした。

   区によってばらつきはあるが、1か月あたりの給食費は小学校低学年で4000円、中学生で5000円ほどだ。1食当たり200円から300円前後で押さえるために苦心して献立を計画している。

   もちろん中国産食材だからといって必ずしも危険だとは言えず、献立に使用する際は十分に安全性を確認している。ただ、家庭では気を使って国産食材を食べさせているのに、給食では中国産のものを食べているとなれば、保護者にとって不安は大きい。実際に学校や教育委員会に問い合わせはあったという。

   台東区や墨田区など中国産食材を使用していない区もあるが、すべての地域で中国産食材不使用を実現するにはハードルがある。

1 2
姉妹サイト