1996年に国連人権委員会(当時)に提出された「クマラスワミ報告」について、日本政府がその一部を修正するように筆者のスリランカ人法律家、ラディカ・クマラスワミ氏に要請していたことが明らかになった。菅義偉官房長官が2014年10月16日朝の会見で明らかにした。報告書では、済州島でいわゆる従軍慰安婦が強制連行されたとする、いわゆる「吉田証言」を引用している。14年8月に朝日新聞が同証言を「虚偽」だと結論付けたことを受け、政府としても引用部分の削除を求めることにした。
ただ、クマラスワミ氏は修正に応じなかったといい、菅氏は
「今後、政府としては国連の人権理事会をはじめとする国際社会において、適切な機会をとらえて我が国の考え方を粘り強く説明し、理解を得たい」
などと話した。