「日本人ターゲットの情報は入っていない」
しかし、イスラム過激派組織では、女性の社会的地位は認められておらず、家に閉じこもって厳格な規律に拘束されることになる。人権が疎んじられる状況にいつまで耐えられるかは疑問だ。
実際、前出のオーストリア人の2少女は、渡航したことを後悔し、母国にいる家族と連絡を取って、「家に帰りたい」と訴えたとも報じられている。もっとも、過激派組織がそのまま返すことはなさそうで、もし帰ったとしても母国でテロを起こす疑いもかけられている。いったん渡航してしまえば、状況は厳しい。
日本でもこうした状況が報じられると、ネット上で、「イスラムでの女の地位をシラ無すぎw」「悪いけど、自業自得でしょ」などと厳しい声が相次いだ。
一方、北大生がイスラム国の募集を見て渡航したように、日本人女性についても今後狙われる恐れがないのかと懸念する声もあった。
確かに、オーストリア人2少女のケースのように、誘いに乗るのは、移民出身でイスラムに入信したといった事情がある場合が多いらしい。しかし、今後イスラム国が日本語でPRするようになったら、北大生のように乗ってしまう女性が出てくる心配はないのか。
シリアなどを担当する外務省の中東第1課では、日本人女性をターゲットにした動きがあるかについて、「ネット情報をすべて把握するのは不可能ですが、政府としてはそうした動きは存じておりません」と取材に答えた。日本語での呼びかけも承知していないといい、今後ターゲットになる可能性についても、「分かりかねます」としている。