ブラジルに0‐4で完敗し、あらためて世界との実力差を見せつけられたアギーレジャパン。2014年9月の発足から1勝2敗1分と成績は振るわず、専門家やサポーターからは試合内容に批判が集まっている。
選手の口から飛び出すのは「収穫はあった」というコメントだ。申し合わせたように同じ言葉が並び、サポーターからは惨敗したブラジルW杯でしきりに唱えられた「自分たちのサッカー」を思い起こさせると言われている。
「収穫は守備面」「得点できたことが収穫」...
スポーツ各紙の報道などによると、試合後にキーパーの川島永嗣は「収穫材料」として、「新しい選手が入った中で、高いレベルを経験できたことは大きい」と口にしたという。しかし、守備陣はブラジルのネイマール1人に4得点を許し、攻撃でもチャンスは作れず、数少ない決定機を生かすことはできなかった。
前向きに「収穫」を口にできる内容だったとは言いがたく、多くのサポーターはツイッターで「収穫のない試合となって腹立たしい」「今日の日本代表の収穫が見当たらない...」と対照的な意見を投稿している。NHKのサッカー公式アカウントも「日本は多くの選手を試した上での敗戦ですが、あまり収穫が感じられない試合内容でした」と手厳しい。
アギーレジャパンで「収穫」を口にしているのは川島だけではない。初陣のウルグアイ戦を0‐2で完敗した後に本田圭佑と森重真人は2人して、「収穫は守備面」と語った。積極的なシュートやドリブルで注目を集める武藤嘉紀も、ホームで引き分けに終わったベネズエラ戦でゴールを決めたことを「得点できたことが一番の収穫」とコメント。ブラジル戦でも「1つ1つの技術やフィジカルのレベルでも自分より格段に上でした。それを分かったことが今日の唯一の収穫なのかと思います」と話している。
選手を率いるアギーレ監督も初合宿後に「新しい血が注入されたのが一番の収穫」と発言。まるでチーム内で決められたテーマのようだ。
「百姓JAPAN」と揶揄する声も
繰り返される「収穫」コメントは、「自分たちのサッカー」と唱え続けて惨敗したブラジルW杯が重なる。
ブラジルの開幕前、選手は「自分たちのサッカーができれば」としきりに願望を口にした。そして初戦コートジボワール戦に敗れると、判を押したように「自分たちのサッカーができなかった」と繰り返した。ザッケローニ監督のもと、攻撃時の細かいパス回しと守備での積極的なプレッシャーで「自分たちのサッカー」を追求したが、結果はついてこなかった。
アギーレジャパンの白星はここまでわずか1勝。それも格下ジャマイカ相手に1‐0の辛勝で、唯一の得点は相手のオウンゴールだ。監督肝いりのフォーメーション4‐3‐3はお世辞にも機能しているとは言いがたいのが現状だ。
それでも繰り返される「収穫」に、
「『負けたけど収穫はあった』サッカー日本代表がいつも言ってる気がするけどお前ら農家かよ」 「×サムライJAPAN ○百姓JAPAN」
「『自分たちのサッカーができなかった。でも収穫はあった。次に活かしたい』もう全員これで統一しろ。好きだろ、自分たちのサッカー」
とサポーターからは厳しい言葉が並んでいる。