ヨガをすると、体だけでなく、脳も若返る! 

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   「血行促進」「冷え症改善」「柔軟性がアップ」「リラックス効果」など、体によいと人気のヨガ。今や日本のヨガ人口は100万人と言われる。心身を健康にするだけでなく、脳機能の若返りにも役立つらしい。

   イリノイ大学研究室は2014年8月、『The Journals of Gerontology』において「1時間のハタヨガを週3回、2か月行うと、高齢者の認知機能が改善される」と報告した。

週3回、1時間のヨガで認知機能がアップ

ヨガは脳のアンチエイジングにも役立つ?
ヨガは脳のアンチエイジングにも役立つ?

   ハタヨガというのは、4000年以上の歴史をもつ最も古いヨガで、ヨガの原点とも言われている。ヨガには、比較的ハードでトレーニングに近い「パワーヨガ」や、高温多湿の中で行なう「ホットヨガ」など様々あるが、「ハタヨガ」は呼吸に意識を集中させながら、基本的なポーズをゆっくり行う基本のヨガだ。

   研究では、55~79歳の108人を対象に、ハタヨガクラスと、ストレッチや簡単な引き締め運動を行うクラスに分け、8週間のトレーニングを実施した。終了後に、「情報呼び戻しテスト」、「精神的柔軟性やタスクスイッチング(作業の切り替え)テスト」などを行い認知機能のチェックをした。

   その結果、ハタヨガクラスの人は、以前よりも手元の作業を集中し、正確かつ迅速に行うことができた。一方、ストレッチや簡単な引き締め運動を行なったクラスの人には、とくに変化はみられなかったという。このことから、ハタヨガは認知機能の改善に役立つと考えられるというのだ。

ヨガは物事に集中する訓練にもなる

   ハタヨガが認知機能の改善に効果的だったのは、なぜだろうか?

   研究者は、「ハタヨガは、体と精神、呼吸に、ほぼ同時に意識を向けなければならない。これが、ヨガをしていないときにも活かされ、注意力が続くようになっているのではないか」とコメントしている。

   単に体を動かすのではなく、ハタヨガは、3方向に同時に意識を向ける必要があるので、集中して取り組む訓練になっている。

   また、ハタヨガを続けた人は、認知機能の中でもワーキングメモリ能力がとくに改善していた。ワーキングメモリとは、見たり聞いたりした情報を、短期間覚えておき、処理するための記憶で、会話や読み書き、計算などの基礎となり、日常生活に欠かせない能力である。

   体と精神、呼吸の3方向に意識を向けるスポーツには、合気道や太極拳もある。これらも脳の若返りに役立つ可能性があるかもしれない。[アンチエイジング医師団取材TEAM/監修:山田秀和 近畿大学医学部 奈良病院皮膚科教授、近畿大学アンチエイジングセンター 副センター長]

参考論文

The Effects of an 8-Week Hatha Yoga Intervention on Executive Function in Older Adults

DOI: 10.1093/gerona/glu095


アンチエイジング医師団
「アンチエイジングに関する正確で、最新かつ有効な情報」を紹介・発信するためにアンチエイジング医学/医療の第一線に携わるドクターたちが結成。 放送・出版などの媒体や講演会・イベント等を通じて、世の中に安全で正しいアンチエイジング情報を伝え、真の健康長寿に向き合っていく。HPはhttp://www.doctors-anti-ageing.com

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