ヨガは物事に集中する訓練にもなる
ハタヨガが認知機能の改善に効果的だったのは、なぜだろうか?
研究者は、「ハタヨガは、体と精神、呼吸に、ほぼ同時に意識を向けなければならない。これが、ヨガをしていないときにも活かされ、注意力が続くようになっているのではないか」とコメントしている。
単に体を動かすのではなく、ハタヨガは、3方向に同時に意識を向ける必要があるので、集中して取り組む訓練になっている。
また、ハタヨガを続けた人は、認知機能の中でもワーキングメモリ能力がとくに改善していた。ワーキングメモリとは、見たり聞いたりした情報を、短期間覚えておき、処理するための記憶で、会話や読み書き、計算などの基礎となり、日常生活に欠かせない能力である。
体と精神、呼吸の3方向に意識を向けるスポーツには、合気道や太極拳もある。これらも脳の若返りに役立つ可能性があるかもしれない。[アンチエイジング医師団取材TEAM/監修:山田秀和 近畿大学医学部 奈良病院皮膚科教授、近畿大学アンチエイジングセンター 副センター長]
参考論文
The Effects of an 8-Week Hatha Yoga Intervention on Executive Function in Older Adults
DOI: 10.1093/gerona/glu095
アンチエイジング医師団
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