「PC全廃、代わりにタブレット」はまだ少数派
企業の中には、PCの代わりにタブレット型端末を導入するところがある。外資系製薬大手ノバルティスファーマ日本法人は、2013年1月から医薬情報担当者(MR)2300人を対象に、PCを撤廃する代わりにタブレットを支給したと報じられた。ただこうした事例はまだ珍しく、「経営陣の鶴の一声でタブレット導入が決まったものの、十分に活用されないまま"塩漬け"になるなど失敗に直面する企業は多い」(「日経コンピュータ」2013年12月26日号)のが実情のようだ。
当面は、「ウィンドウズ」の切り替え時期のたびにPC需要が高まる予測ができるだろう。仮に「XP」のサポート終了の段階で「PCをやめてタブレットの導入を」と考えた企業が多かったのなら、「特需」は起きなかったかもしれないからだ。端末を入れ替えるための経費がかさむのは当然だが、やっとの思いでキーボード操作に慣れた会社の「おじさん世代」が、PCを捨てて別の新しい機器に対応しろと命じられれば、「勘弁してくれ」と泣きが入りそうだ。
とは言え、長期的に見て今のまま続くとは言い切れない。ツイッターを見ると、ジャストシステムの調査結果を見て「PCがなくなることはない」との意見もあるが、一方で学生とみられる投稿者からは「課題はスマホでつくってネットで提出」という書き込みがあった。スマホを自在に操り、PCから離れた10代が今後就職し、企業の中核を担う世代となれば事態が変わっていく可能性もあるだろう。PCは「おじさんツール」としてかろうじて残る、そんな時代がやってくるのだろうか。